◆本日の動画にでてきた用語解説
■リスクオフ
株式、コモディティなどのリスクのある投資先から安全資産に向かう動き。対義語は「リスクオン」
■リスクオン
投資家のリスク選好度が高まり、リスク資産に資金が向かう状態。
■200日線（200日移動平均線）
過去200日の価格を平均したもの。1年は約250営業日なのでざっくり1年間の平均した価格となる。長期トレンド指標として注目される。
■クロス円
FX（外国為替証拠金取引）における通貨ペアのうち、米ドル以外の通貨と日本円のペアを指すこと
■システマテックリスク
個別の金融機関の支払い不能等や、特定の市場または決済システム等の機能不全が、他の金融機関、他の市場、または金融システム全体に波及するリスクのこと。
■CPI
アメリカ国内の物価の上昇・下降などの変動を表す経済指数で、米労働省が毎月中旬に公表している。約200項目の品目の価格の変化を調査して指数化したもので、アメリカの国民の生活水準を示す指標のひとつ。
■イールドカーブコントロール
縦軸に最終利回り、横軸に債券の残存期間を取ったグラフ上に、（同一発行体の）債券の最終利回りと残存期間に対応する点をつないだ線をイールドカーブ（利回り曲線）という。そして、イールドカーブコントロールはそのイールドカーブを適切な水準に維持することを指し、長短金利操作とも呼ばれる。
■PBR
Price Book-value Ratioの略称で、和訳は「株価純資産倍率」。当該企業について市場が評価した値段（時価総額）が、会計上の解散価値である純資産の何倍であるかを表す指標であり、株価を一株当たり純資産（BPS）で割ることで算出できる。
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◆動画原稿全文
0:00
こんにちは、レオス・キャピタルワークス、トレーディング部の岡田です。
0:13
本日の日経平均株価は前日比マイナス1.11％となる311円1銭安い、27,832円96銭で取引を終えました。
0:23
金曜日の米国株は大幅続落となりました。寄り前に発表された雇用統計では非農業部門雇用者数が大幅上振れとなったものの、失業率は悪化、平均時給の伸びは市場予想を下回り金利低下、株買いで反応しました。
0:40
しかしその後、前日のリスクオフのきっかけとなったシリコンバレーバンクファイナンシャル（SVB）が増資計画に失敗、身売り交渉中と伝わると一気にリスクオフの動きとなり、金利は一段と低下する中で米国株は続落して始まります。その後、政府によるSVB救済への期待も聞かれたほか、他の地方銀行が自行の預金性質は強靭と表明する中で切り返す場面も見られましたが、SVB傘下のシリコンバレー銀行が破綻と報じられると株式市場は売り直されてほぼ安値引けで終了、ここもと下支えとして期待されていた200日線を明確に下回りました。
1:21
そして本日早朝の株式先物やクロス円は一段安で始まりましたが、日本時間7時過ぎにFRB、財務省、米連邦預金保険公社がSVBの預金保護を決定との共同声明を発表するとリスクオンの動きに転換、本日の日経平均株価は前日比▲0.9％安程度の下落に留まって始まりました。しかし寄り後の日本株は一段安となります。
1:50
米国株先物に関してはSVB救済報道を受けて反発、金曜日の下落分を帳消しにして日本市場スタート後も底堅い動きとなりました。またアジア市場は高安まちまちながら直近冴えなかった香港株が大幅反発するなど、先週は日本株のアウトパフォームが目立っていましたが、本日は一転して日本株が大きくアンダーパフォームしました。
2:15
SVBの破綻はあくまで同社の問題でシステマテックリスクには発展しないとの見方が大勢で、更に預金保護決定を受けて海外市場は反発しましたが、依然懸念材料は残ること、そして火曜日にはCPIというビッグイベントを控える中、ここもと非常に強かった日本株に関しては調整や利益確定売りが入った模様で、個別では日銀のイールドカーブコントロール修正後買い進められていた金融株や、東証の低PBRテコ入れ期待で買い進められていたバリュー株の下落が目立ちました。
2:50
それでも前場終盤以降は下げ渋ると、後場はやや下げ幅を縮小して終了と、一先ず米政府による救済策を素直に好感した格好でアジア時間は終了しそうです。
以上、レオス・キャピタルワークスがお送りしました。
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